「ルヴァに取り付けられた装置を外す事は出来ないのか?」

 ジュリアスはゼフェルに問い掛けた。

「ここでは、無理だ。聖地のオレの部屋でならできると思う」

「では、そなたとルヴァは一刻も早くここを出て聖地に戻れ。オリヴィエとランディもルヴァを庇護しつつ、聖地に戻る事を最優先とせよ。ルマクトーとマルセルの方は私とオスカー、リュミエール、クラヴィスが処理しよう」

 オスカーは承知しましたというように胸の前に手を置き頭を下げた。

「ワタシたちはさっき降りた次元回廊のポイントまで行くって事だね……この建物内じゃ次元回廊の設定はやっぱりできない?」

 オリヴィエはゼフェルを見た。

「ダメだ、狭すぎるし、守護聖以外の生体反応も高すぎるし、王立研究院の指定している基準をことごとくオーバーしてるから。オレの作った【どこでも次元回廊】なら、回りの建物や生物の存在を無視して開くから出来るんだけど、マルセルが持ってるから……」

 悔しそうにゼフェルは言った。

「では、行くしかないのですね……わたくしが先頭になり【リヴァイアサン】で手下たちを蹴散らしますから、ついて来て下さいね」

 リュミエールはそう言いドアを開ける。

「行くぞっ」

 ジュリアスたちも後に続く。とその時、ドーンという鈍い爆音が聞こえた。

「何だっ? ああっ、尖塔が落ちる!」

「本当に上から順番に爆破して行く気らしいな」

 窓から城塞島の先端についていた尖塔部分が崩れて落ちて行くのが見えた。

 


第3章
表 紙