オリヴィエはキョトンとしてルヴァを見た。「貴方が綺麗だと言ったんですよ〜オリヴィエ、彼は訛りが酷くて聞き取りにくいですけど、よく聞けばわかりますよ〜」
ルヴァはノホホンと答えた。
「あら、そぉお。ありがとね、アンタもすっごく綺麗だよ〜」
オリヴィエは律儀に礼を言った。
「なー、守護聖なんか辞めて、俺と一緒に暮らせへんか? 一生ええ目さしたるでぇ」
とトムサはオリヴィエに詰め寄った。
「え? ええ目さすってどういう意味なの、ルヴァ〜」
「いい思いをさせてあげる、と言ってます」
「ごちゃごちゃ言うてんと、こっちにおいでぇな〜」
「あ、これはわかるよ、こっちに来いって言ってるんだよね〜」
酷い方言と見た目の美しさとのギャップが激しい。守護聖たちは唖然としつつ、オリヴィエとトムサ、それに通訳のルヴァの会話を聞いていた。
「この水色の髪の毛の守護聖もキレイやけど、俺より大きいそうやな。アンタは身長幾つや?」
「あの……わたくしは百八十三センチですが……」
リュミエールがおずおずとそう言うとトムサは残念そうにした。
「残念やな〜俺は百八十二センチやねん、【攻】としては、自分よか大きいモンには手ェだせへんポリシーやねん」
「は、はぁ……そうですか」
リュミエールは妙に納得し頷いた。
「ったく、何ゴチャゴチャ言ってるんだよっ、こんなオカマヤローさっさとブチのめして帰ろうぜ」
ゼフェルはそう言うと、リュミエールの後から前に飛びでて、自作のショットガンを構えた。
「なんやこのクソガキ? なかなか端正な顔しとるやないけ。そやけど口の聞き方が悪いな〜、どーゆー育て方しとんのや?」
トムサはオリヴィエの手を握ったまま言った。
「あ〜すみませんね。目上の人には礼儀正しくと言ってはあるんですが……」
「ルヴァっ! 謝ってどーすんだよっ」
「こっちの白いマフラーの子も可愛いな、守護聖て顔で選ばれるんかいな? 君、幾つ?」
今度はランディに向かってトムサは言った。
「関係ないだろ! 早くルヴァ様に取り付けた爆破装置をはずせよ!」
「若いモンはせっかちでアカンわ……幾つや、と聞いてるんや。怒らすとタメにならへんで、これは腕時計の爆破スイッチやでぇ」
トムサ・ルマクトーはグイッとランディの鼻先にカード型になったその装置を突きつけて言う。
「じゅ……十八だ」
思わずランディは答えてしまう。
「食べ頃やな〜、そやけどなぁ。俺、金髪フェチやねん、トウが立ってるけどやっぱりこっちの守護聖にしとくわ」
トムサはオリヴィエの肩を抱きつつ、そう言った。
「ちょっとっ、トウが立ってるってどういう意味だよっ」
オリヴィエはトムサの手を振り払い怒っている。とその時、クラヴィスの背後にいたマルセルがトムサの目に止まった。
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