やがて、光と闇の守護聖の交代は皆の知るところとなる。残された時間がただ穏やかに過ぎてゆく。そして、新しい守護聖の召還の時。
銀色の髪に群青の瞳を持つ少年と日溜まりを集めたような栗色の髪と瞳の少年が聖地にやってきた。
「ようこそ聖地へ、光の守護聖と闇の守護聖」
と代表として出迎えたオスカーはそれぞれの少年の前に跪き挨拶をした。
「やはり間違えたな」
クラヴィスが珍しくニッコリと笑った。
「ああ、賭はそなたの勝ちだ」
とジュリアスも笑う。「僕が闇の守護聖だそうです」
銀の髪、群青色の瞳の少年がオスカーに伝えた。まだ守護聖としての自覚はないのだろう、闇……と言う言葉さえ知らないようなあどけなさ。「今はまだ茶色の僕の髪と瞳の色は、大人になると色が抜けて、ジュリアス様みたいな色になるのだそうです」
と闇の守護聖と間違われた少年が言った。「黄金の髪と瞳を持つ光の守護聖か、見てみたかったな」
ジュリアスの言葉にオスカーは胸が詰まりそうになりながら間違った無礼を二人の少年たちに詫びた。