「大丈夫ですかっ、瓦礫がどこかに当たったのでは!」リュミエールとルヴァは二人に駆け寄った。
「バカ! てめー、オレの事、かばって押し倒しただろっ」
ゼフェルはいきなり起き上がるとランディにいきなり突っかかった。
「なんだよ、ゼフェルこそ、俺の怪我してる腕をかばって瓦礫の下敷きになろうとしたじゃないか」
ランディも起き上がりつつ、言う。
「おめーなんかかばうかよっ。オレは足が痛いんで、よろけたらたまたま、そこにおめーの腕があっただけでよー」
「ムキになるなよ、ありがとうって言いたいんだよ、俺は」
「おめーに礼なんか言われたくねー、そんな筋合いはねぇ!」
ランディとゼフェルはお互い擦り傷まみれになりつつ、言い合っている。
「もう一生言ってろ〜って感じ……誰かワタシの事、たすけて……」
と仲良く罵りあっているゼフェルとランディの横で爆発の為に外れた配管パイプの下敷きになっているオリヴィエが呻いた。
「オリヴィエ〜、ああっ、大丈夫ですかっ」
リュミエールとルヴァは駆け寄り、パイプを退かす。
「隙間が出来てたから直撃は免れたよ〜、うう…ワタシ、なんか今回、災難だわ〜」
ようやく助け出されたオリヴィエは、なんとか立ち上がったが、顔色はない。背中の傷口からまた血が滲んできたようで、リュミエールがその背中に触れると掌に血がついた。クラヴィスの応急手当は、もはや用を成していない。
「急ぎましょう……オリヴィエ、しっかりして下さいね」
リュミエールはオリヴィエを抱くように支えた。
「ゼフェルとランディ、大丈夫ですか? 早く出口を探しましょう」
ルヴァは二人の傷を心配しつつ言った。
「ランディっ、さっさとZって書いてあるドアを探そうぜ」
「ルヴァ様、俺、先に進んで探します。オリヴィエ様と後から付いて来て下さい、ゼフェルも後から来いよ、足を怪我してるだろ」
「こんくらいなんでもない」
ランディとゼフェルは崩れた瓦礫をなんとか飛び越えると先に進んで行った。
「ちくしょう、まったくビクともしない……ジュリアス様はご無事だろうか……」
オスカーは階段があった場所の瓦礫を何とか崩す術はないかと奮闘していた。
「貴方もわたくしたちと一緒に聖地に戻りましょう。ジュリアス様とクラヴィス様ならばきっとご無事ですよ」
リュミエールはそう言うがオスカーはあきらめきれない様子で瓦礫を崩そうとしている。
「これは……いけませんよ! 潮の香りが強くなった気がしませんか……今の爆発で海水が入り込んで来たのでは。オスカー、さぁ、急ぎましょう。ジュリアスも言ってたでしょう。生きて聖地に帰れと、ね」
ルヴァはオスカーの肩を叩いて急ぐように促した。
「わかりました……」
オスカーはガックリと項垂れながら、手負いのオリヴィエに肩を貸してやると、先に進んだゼフェルとランディの後を追った。
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