一方、三階のフロアでは、ジュリアスたちが手下たちを相手に苦戦していた。下へと続く階段の前で手下たちが立ちはだかっていたのだ。

 クラヴィスが闇のサクリアの力で【ダークネス・ラリホー】を放つが、やはり効き目はそれ程のものではない。

「おのれ、私のサクリアを放ってやる!」

 とジュリアスが両手をあげようとした。それをクラヴィスが制した。

「よせ! 雑魚を相手にするではない、お前の【ホーリー・シャイニング・アタック】は体力の消耗が激しいのだろう、ルマクトーにとっておけ」

 クラヴィスはジュリアスの手を掴んで、そう言った。

「クッ……おのれ……剣があれば一刀両断にしてくれるものをっ」

「まかせて!」

 とジュリアスとジュリアスの前に出たのはオリヴィエである。

「ちょっち失礼〜」

 といい下半身に纏った衣装を絡げた。太股に取り付けたベルトからオリヴィエはダガーを抜き取り身構えた。

「こんな事もあろうかと思ってね、一応、武器だけは用意してたんだよ〜ソレッ」

 オリヴィエの投げたダガーが先頭にいた手下の腕に刺さる。その拍子にその男は持っていた武器を落とした。クルクルと円を描いてレイガンがはじけ飛ぶ。ランディは咄嗟にそれを拾い上げた。

「殺してもかまわん、撃て。守護聖一人につき二千万主星ドルの報奨金が出るんだぞ!」 手下の一人が叫ぶ。

「だが金色のは殺すな。手負いのままトムサ様の所に連れていけば五千万主星ドルだそうだぜ」

 と呟く声が聞こえた。【金色】の……と言われたジュリアスはかつてない程の怒りに身を震わせた。

「そなたたちは、守護聖を何だと思っているのだ! 我ら無くしては宇宙の均衡と平和は保たれないというのに!」

「アンタたちがいなくなったって何も変わらんさ。きっとおれたちにとっては住み易い世の中になるだろうよ」

「クッ……もはやそなたたちには言うべき言葉もないっ」

 ジュリアスは前にいた手下の一人の襟首を掴みあげると投げ飛ばした。

「へぇ、ジュリアスも、結構強いんだな……」

 ゼフェルは感心したように呟く。ジュリアスが手下の一人を投げ飛ばした事によってそれまで保たれていた手下たちと守護聖たちの距離に乱れが生じた。

「ここは私たちにまかせよ! ゼフェル、ランディ、ルヴァは次元回廊へ急げ!」

 クラヴィスはそう叫ぶと、銃を構えた手下を殴りつけた。ランディは先ほど奪ったレイガンで威嚇しながら、階段を降りた。その後にルヴァとゼフェルが続く。


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