あ と が き
相変わらずの二人……を、最後までお読み頂きありがとうございました。
思えば、『水夢骨董堂細腕繁盛記3』を書いてから、三年ほど……随分、経つのに、こんなオリヴィエ様バースディ企画しても仕方ないのでは……と思いつつ、いや、もう手が勝手に……(^^; 久々に楽しゅうございました。
とらじゃさんの絵もゲット出来て、シアワセでした。ありがとう、とらじゃさん。水夢シリーズの本編には、一応パターンを作っていまして、まあ、お約束的な内容で……展開していくのが理想的、と自分では思っているのですが、久々なのでそういう風になってくれるかな……という不安がありました。けれど、よくプロの方などが、キャラが勝手に動くなどと申されますが、私が言うのもおこがましいのですが、まさにそういう思いでアッという間に、第一稿は、書けました。
パラレルものなので、設定には、勝手な創作部分もありますが、できるだけ当時の史実に沿って書きたいという希望が水夢シリーズにはありまして、後で、当時の設定で資料を漁らなくてはなりませんでした けれど。
私の手元にあるパリの資料は、どれもこれも約27年ほど前のものです。良かった……その当時、ベルばらにハマっていて……。そして、それらの本を捨てなかった自分にブラボー。(笑)
オリヴィエたちの設定年代は1920年末ですから、27年前の資料では細部は合わないのですが、それでも30年近く前となりますと、まだ世の中に、コンピュータが普及していませんから、昔の名残が残っている部分もあり参考になりました。後、二人の生活の場であるモンマルトルあたりの描写を書いていて、何かしらデジャブーっぽい感じがしたのですが、よく考えてみれば、最近、映画『アメリ』を見ていたんですね。時代は随分違いますが、同じモンマルトル、アパートやお店の雰囲気とかに、らしさが残っている気がします。
後、古本を二冊ほど手に入れまして、うち一冊は1962年頃発行のものですが、当時のパリを忠実に書いたシュールレアリズム小説本で、よくぞ書いておいて下さいました……という内容でした。そういうわけで、資料を私なりに読み進むうち、それなりに水夢的巴里設定が固まり、もう一話、12月頃にアップしますので、まだ読んでやって下さいませ。
あ、最後にひとつ。オリヴィエが働いている『カフェ・セ・レレガンス・ドゥ・ロム・モデルンc'est l'elegance de l'homme moderne』、もちろん実在しません。これアラン・ドロンの声で頭の中で再生して頂くと、年配の(爆)皆さんにはきっと判りやすいかと。カフェを取って、代わりに、『ダーバン、』と付けて頂くともっと判りやすいです(^^;
2003.10.20 オリヴィエバースディに寄せて 思 惟