★前フリ座談会:上海をちょこっと語る★
●参加者●
セイント財閥総帥 ジュリアス・L・セイント氏
カフェ宵闇亭オーナー クラヴィス・シオザワ氏
知恵の木学園園長及び書道家 関 大地氏
J「本日は何故か当時の上海について説明せよということだが」
C「フッ……お前のような金持ちは上海の上辺を知っているにずぎぬ」
J「そんなことはないっ。私は上海の経済界を背負う者として下々の在りようにも気を配っている」
C「ならば、好きに説明してみろ……」
J「よかろう。では説明する。1842年阿片戦争の終結の際、南京条約によって上海は開港した。
その翌年には虎門条約により、いよいよ英吉利租界の設定と借地条項に乗り出すのであるが……」C「フッ……」
J「何が可笑しいのだっ」(ムッ)
C「やはりわかっておらぬな……。そのように固い説明など誰が読むものか」
J「では、そなたが説明してみろっ」(怒)
C「中國がアヘン戦争に負けたので諸外国がよってたかって、上海を支配して、ここは自分の所の陣地だから、何してもいいと中國人を蔑ろにして安い賃金でコキ使い、好き放題した」
J「身も蓋もない言いようだが……事実といえば事実だ」(クッ)
L「あ〜日本國も中國侵略を虎視眈々と狙っておりましたしね。
諸外国の色々な思惑の犠牲になっていたのが貧しい中國人たちです。
そんな中で、抗日運動が生まれました。つまり、中國のものは中國に返せ、日本人は出て行け!って事ですね。でもこういう上海の特殊な治外法権制度が隠れ蓑になって、後の中國の思想家・革命家たちが育って行ったということになりますね〜」C「いつの世にも犠牲になるのは、持たざる者というわけだな……」(チラリとJを見る)
J「私は……決して中國の民を蔑ろには……」(うつむき)
C「フッ……どうかな?セイント社関連の工場でも低賃金で大勢のものが雇われている」
J「何をっ!」(握り拳)
L「あ〜よしてください。二人とも〜」
J「クッ……そなた、少し前までは私の義弟だったというのにっ」(花影追憶参照)
C「昔の関係にすがるな……」
J「何かあったみたいな言い方するなーっ」
C「無かったとも言えまい……」(ニヤリ)
J「バ、バカ、言うなよ」(アセリ)
C「お前が頼むなら言うまい」(甘え声)
J「よし、言うな。頼んだぞ」(ホッ)
C「ああ……フッ」(はぁと)
L「あ〜なんか作者の趣味で結構ラブラブなんですね、ま、お二人の事はおいといて、
今回のオスカー事件簿は、先ほど言った抗日運動がちょっと背景にあるんですね。
あ〜でも難しく考えないで下さいねー。どーせ書いてる本人も、あんまりわかっちゃいませんからねー。
途中まで、カッコイイかも?なオスカーさんをお楽しみ下さいね」(のほほん)
O「なんだ……途中までカッコイイって? 俺はいつでも全編通してカッコイイ男なんだぜ。お嬢ちゃんたちのためにな。今回はハードボイルドな俺でお嬢ちゃんたちを酔わせるつもりだ。じゃあ、オスカー事件簿、始まるぜ」
★ 表 紙 ★